おやつの時間のことでございます。

順番を待つということが、苦手なお年寄りの
集団ですから、中には、拗ねる方もいます。

私はね、太る体質なの。だから、娘がきっと、
職員におやつは出すなって言ったんだわ。

皆さんに出ますから、大丈夫ですよ。

すべては娘が悪い、どこも一緒なんですのね。


おやつの前に、アタクシが持参した鯛焼きの
アンコを食べた母。

やおら、自分のおやつを差し出しました。

まだ、手をつけていないから、お先にどうぞ。

いやいや、ママ、それはアカンよ。

なんでよぉー。


母のおやつには、むせないようにと、お湯が
かかっておりました。

おやつは、オレオ。

先日はパウンドケーキにもお湯がかけてあり、
アタクシはびっくり仰天致しました。

でも、オレオにもなんて・・・。


Sさんは、ママと違って誤嚥をせいへんねん。
だから、普通のクッキーが提供されるんや。
お先にってお譲りするのも、わかるけれど、
ここでは、出されたものは食べようね。

オレオを普段食べない母です。
クリームのない柔らかく黒い物体がクッキー
であることがわかりません。

これ、幸いでございました。

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スプーンで一口食べた母。

あら、これ、美味しいわね。

そう?、よかったやん。美味しくて・・・

母の隣で、先にペースト状のオレオを食べて
いたお婆さんが、アタクシを見て、ニコッと
笑いました。

口の中がお歯黒でした。