バランスを取り損なって、慌ててアタクシに
掴る母の手。

その手を、思わず、振りほどきたくなる心境。


そのとき、嫌なことがあったわけでもなくて
ただ、手をほどきたくなるのでございます。



お風呂から上がったときは、いくら伝い歩き
が出来るからと言って、一人で歩くのは無理
です。


母の手を引いて、ベットまで行き、ベットの
手すりに母の手を置いて掴るようにします。


もう片方は、掴るところがありませんので、
アタクシに掴るのです。


ときどき、アタクシは立っている位置を変え
母がバランスを崩すことを期待する気持ち
が湧いてくるのです。


母を疎ましく思う心がアタクシにあるのです。


いつかは解放されると思うのですが、それが
永遠に続きそうな気になってしまいます。

母は認知症という病気なのに自分勝手ですね。


こんな気持ちが積み重なることで、手にかける
という事件が起こるのでしょう。