アタシの面倒を看てくれる人、アナタのほかに
いないの?

施設(特別養護老人ホーム)の母の居室での
一言。

その日、アタクシは腰痛のためにサポーターを
して行っていました。

セーターの下から見える白いものを見て、母が

アナタ、下着が見えているわ。

ちゃうよ、これは、サポーター。

とセーターをあげてみせました。


あら、いやだ。アナタ、何をしたの?

何をしたの?って、かなり、家の階段を往復
したからね。普段、運動不足だからね。

アナタが倒れたら、誰がアタシの面倒を看て
くれるの?

おいおい、おっかさん、そこが心配なわけや!


在宅介護中も、デイやショートステイに行き
たくないと、面倒を看てくれる人と探しており
ました。

アタシの兄弟は?

全員、この世にはおらへんよ。

すると、今度は息子達の名前を挙げ、次に嫁の
名を呼びました。

認知症を発症して、10年以上ですが、未だに
「面倒を看てくれる人」と一人ずつ、名前を
挙げていくのでございます。

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認知症初期の頃の物に対する執着。

アタクシも、お金を盗ったと言われたことも
ありました。

しかし、中期の今は全くありません。

全部捨てて、整理してもいいと自ら言うこと
もあります。

捨ててるというと、

ほんとは、アタシがやらなきゃいけなかった
のに、悪いわね。

とも申します。

あれは、いったい、何だったのでしょう。