今日は三浦半島の津久井浜観光農園で苺狩りに
母と一緒に参加してきました。

この行事は、母の施設(特別養護老人ホーム)
のデイサービス部門のリハビリの一環で企画
されたものです。


母が施設に入所して以来、アタクシは母との
外出を一切せずにおりました。

しなかった一番の理由は一緒に外出することで
帰宅願望が出ることを怖れたからです。

実際、農園から施設に戻ってくると、玄関の
エントランスからユニットまで、ずっと母は
言い続けていました。

ここは何なの?

やはり、環境の急激な変化はしないほうが、
母のためなんだと、つくづくわかりました。


バスの中では、苺なんかと興味を示さなかった
母ですが、いざ、ハウスのなかに入ると・・・。

車椅子のまま、苺を摘むことが出来て、母は
美味しいと自ら手を出し、口に運んでいました。

ひょっと母の手元を見ると、手が練乳まみれ。

ちゃんとヘタを取り、ドップリと練乳をつけて
口に入れていく・・・

よく食べたと言いつつ、熟れた苺を見付けると
またまた、口に。


お気に召したならいいや。

でも、沸々と湧いてくるのは、認知症を発症
する前の母とは大違いだということ。

まるで、餓鬼のような食べ方で・・・。


バスに乗ったとたんに、母は大きな声で言い
ました。

何を言ったかは、次回にしますね。

これもこれで、アタクシを打ちのめしたこと
なんですもの。


一瞬にして忘れてしまうようになった母。

あれだけ、そう、30個以上は食べたはず。

苺、美味しかった?

そう聞くと、母は

苺?!、そんなもの、食べてないわよ。


施設に戻り、リビングに母を座らせてしまうと
今度はアタクシが居たことを忘れてしまう。

ま、そのほうがよろしゅうございます。

何故なら、スタッフさんに挨拶をして、その
まま、ユニットを出られるからです。


エントランスで帰ろうとしているアタクシに
看護師さんが、声をかけてくれました。

みっちゃんさん、いかがでしたか?

いやいや、びっくりするほど食べたんですが、
バスに乗ったとたんに、食べてないって言った
んです。

いいんですよ。それで。
一瞬でも、楽しい、美味しいという感情を持つ、
これがいいんですから。


それにしても、ほんの2時間ばかりの外出。

さっさと施設を後にして、いつもより早めに
山の上の部屋に帰りました。

疲れて、そのまま、寝てしまいました。

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連れ出してみて、再認識しました。

一歩も歩けないし、車椅子なしでは無理なこと。

デイサービス部門のスタッフさん三人がかりで
やっと、車に乗ることが出来ました。

それに、短時間の外出も難しいということ。

その理由は、帰りのバスの中で母が叫んだこと
とつながります。