ひょっとして、寝たきりになってる?

その場合、どんな顔をすればいいんやろ。

ヒヤヒヤしながら母の施設(特別養護老人
ホーム)のユニットの入り口でスリッパに
履き替えていました。

すると、ユニット全体に響き渡る大きな母の
声がしました。

まあ!、鯛焼きだわ。美味しそう!!

いつもの母の大きな声。

なーんだ、いつもの通りで元気なんや。


前日、ユニットリーダーさんから「膝に水が
溜まっていて、受診して水を抜きました。
痛みがあり、自力で立ち上がれないので、
オシメになりました。」と連絡を貰いました。

その日は、朝から東京に居ました。夕方から
女子会の約束がありました。

痛みがあると聞いて、アタクシは悪夢が蘇り
ました。

大腿骨を骨折して入院した際、痛みと自分の
思い通りにならないという、じれったさで、
看護師をぶっ叩いた母。

また、同じことをやっているにちがいない。
これは、手土産を持って行かねば・・・。


いつものように、母はミック君のお母さんと
お茶を飲んで、おやつを頂いていました。

膝はどう?、痛くないの?

膝?、いつも痛いわよ。

昨日、病院へ行って膝の水を抜いたんでしょ?

あら、そうなの?


部屋に連れて行き、脚をマッサージしてみると、
右膝の屈伸に痛みがあることがわかりました。

でも、左膝はなんでもないので、今まで通りに
立ち上がりはスッと出来ないでしょうが、どう
にか立っていられるのではないかと思いました。

012

女子会の帰り、急いで帰りたいという友人と、
東京駅までタクシーに同乗しました。

飼い猫が今にも死にそうなんだそうです。

その彼女が言いました。

20歳になる猫で、もう天寿を全うしているから
いいんじゃあないと言われるけれど、猫でも、
子供のような存在、簡単に天寿と言わないで
欲しいとのこと。

アタクシ、簡単に言っちゃった・・・。

母はもう、天寿を全うした年齢ですから。