母の施設(特別養護老人ホーム)では、毎週、
火曜日に喫茶店と称して、1階のホールを使い、
入所者さんに紅茶、コーヒーをお出しています。

ヤクルト、パン、お菓子、業者の方々が来て
売ってもいます。

そこで、ボランティアの空きがあると聞き、
どうせ、午後3時半には、母の面会があるので
お手伝いしています。


入所者さんが1階まで来るという行為はチョイ
厳しゅうございます。

まず、ご自分で歩けても、スタッフさんが一緒
でないといらっしゃいません。

車椅子の方々も同じく。
車椅子を押しつつ、歩行する入所者さんと手を
つないでおいでになります。

ボランティアの皆さんに人気だったのは、
いつも、ニコニコと笑っていたヨシコさん。

ヨシコさん!と声をかけると、笑い返してくれ、
その笑顔が素敵でした。


或る時、ヨシコさんと一緒に来たスタッフさん
から言われました。

ここに、ヨシコさんがお見えになっても、席を
勧めないでくださいね。

そして、パンを召し上がっているときは声を
かけないで下さい。

この頃、声をかけるタイミングが悪いと食べる
ことを忘れてしまうので。


今までは、飲んでいるときでも、ヨシコさん!
と声をかけるとニッコリと笑ってくれました。

確かに、最近は表情がなくなっていましたので、
どうしたのかとボランティア仲間では話して
いました。

そう、ヨシコさんも階段を数段下りてしまった
んですね。


ヨシコさん、またね。来週、お会いしましょうね。

アタクシは、スタッフさんと一緒に席を立った
ヨシコさんに声をかけました。

すると、突然、パァッ!と表情が明るくなり、
アタクシに、嬉しそうに笑いかけてくれました。

何かが、ヨシコさんの琴線に触れたようでした。

ヨシコさんの記憶のなかにある、誰かと見間違
えたかな。

001

ココちゃんのお母さんは、認知症の末期に近く、
常に、指をギュッと握っています。

ときどき、スタッフさんが手を拡げてたり、の
マッサージをしています。

ココちゃんは全く、お母さんに寄りつかなく
なりました。


それに比べると、母の症状の進行は緩やか。

昨日も、ワンコの散歩を終えてユニットの
入り口を閉めようとしたとき、会話が聞こえ
ました。

迎えは、明日、来るのよね?

そうですよ、明日、来られますからね。