俳優の津川雅彦さんが、亡くなられましたね。

4月に妻である女優の朝丘雪路さんを、アルツ
ハイマー型認知症で看取ったばかりなのに。

自らも肺炎を患っておられたのに、記者会見を
され、「彼女を残すよりはいい結果になった」
と悼み、それが最後の公の場になったようです。


今朝、テレビで、その会見のビデオを見ながら、
アタクシはムカッ腹を立ててしまいました。

お若い女性のレポーターが、津川さんに聞いて
いました。

「朝丘さんとの最後の会話は、どういう内容
でしたか?」

津川さんは、一瞬、言葉を詰まらせていました。

「うーん、“あらっ” ですかねえ。」

そのレポーターには、介護の経験、または、
身内に認知症患者がいなかったのではないか
と思うのです。

何故なら、死因がアルツハイマー型認知症と
されているということは、最期の最後は会話が
ないというか、夫の津川さんの認識も低かった
とも言えるのでは?

その一瞬、認識していたかもしれません。


進行期(重度)になると、家族や親しい人の
顔が分からなくなったりする。

終末期には、体の動きをつかさどる脳領域に
まで病変が広がり、手足を動かすことができ
なくなって寝たきりになる。

そのため、全身の機能が低下し、循環器・
呼吸器疾患などを起こしやすくなる。

朝丘雪路さんを襲ったアルツハイマー型認知症
 死に至るケースも

(YOMIURI ONLINE・YomiDr.より)


先日、母の面会時のことでございます。

母は、お昼寝から起きて、車椅子を押され、
部屋からリビングへ出てきたところでした。

アタクシは、寄ってくるワンコ達を構うのが
先で、母に向かって、手を振りました。

まあ、娘が来ているわ。

順々に頭を撫で、ハグして、ようやく、母の
隣に座ると、母が、申しました。

あらっ、アナタ、いつ来たの?

いつ?、さっき、手を振ったでしょ。
ひょっとして、あたしの顔、忘れたぁ?

娘の顔を忘れることなんて、ないわよっ!!


そう、母との会話は「あらっ」から始まります。


003

わけがわからないのよ。

このところ、母がよく言う言葉です。

「わけがわからない。」ということは、理解
しているようです。

今は、一瞬で忘れてしまうけれど、その場の
会話はまだ出来ます。

会話の出来る間に、話をしましょうか・・・