忙しいのに、毎日、来てくれて悪いわね。

いやいや、おっかさん、毎日は来てへんで。
一日おきや。

忙しいって、無職やからね。どちらかというと
ヒマかもしれへんね。


うちからここまで、どのくらいかかるの?

うーん、そうやね、40分くらいかな。

バス停まで歩いて15分に、バスに乗って15分
弱に、施設まで、また歩いて10分。

でもね、タクシーで10分だからね。
東京から2時間かけて通ったことを考えれば、
近いんよ。

あら、アナタ、東京じゃあないの?


東京の家は、売却してしまった話は、何回も
しておりますが、直近の記憶力は、曖昧で、
忘れてしまいます。

家具とか、色々と処分して、三部屋のアパート
住まいや。
残りの荷物は6畳の部屋に半分ほどかな。

そうなのね。
じゃあ、アタシが、退院して暮らせる部屋は
あるの?


アタクシは、言葉に詰まってしまいました。

もう、帰る家はないというニュアンスで、
さっき、家を処分したと話したのですが。


膝が痛いんやろ、それに、左大腿骨を骨折して
車椅子なんよ。歩けないっしょ。
それに、24時間、誰かに看て貰わらんと・・・。

思いっきり、家には帰れないと冷たく言って
しまったアタクシ。
母はそれで、置かれた状況がわかったようで。


ところで、ここは東京じゃあないの?

ここは横須賀なんよ。

006

今回の偽痛風で1ヶ月あまりのベット生活で、
母はすっかり、施設というより、病院という
感じになったようです。

何かというと、いつ退院出来るのかと言う
ようになりました。

リビングで日中の殆どを過ごしていたときは、
薄々、施設だと理解していると思われました。

高齢者は転倒すると寝たきりになりやすい、
骨折だけはないと思います。