母の面会の前に、施設(特別養護老人ホーム)
のワンコ、文福の散歩から帰ってくると、
エレベーターホールにまで、母の大きな声が
聞こえてきました。

今日は、すでに、リビングにいるんや。
あちゃー、また、何か気に入らないことでも
あったのかも。


娘は?!
今日は来ないの?

母の怒鳴り声がしました。

娘さんは、来てますよ。あと、20歩くらいかな。

応対するスタッフさんの声が聞こえました。


アタクシが、顔を出すと、母がいきなり、

アタシ、帰るわ!!

ちょっと、待ってや。
この荷物、部屋へ持って行ってしまうから。

いつ、帰るの!!

そこで、アタクシ、いつもの帰れない理由を
入所者さんやスタッフさんの前で、堂々と
言ってしまいました。

明日は、お医者様に診て貰う日や。
だから、今日は、ここに泊まるんよ。


すると、そこで、引っ込む母ではありません。

ね、娘は膝が悪いから、帰れないって言うの!


荷物をおいて、リビングに居る母の横に座ると、

アナタ、今日は、自動車で来たんでしょ?

いいんや、もう、車は乗らないんよ。

なんで?!

あたしは、もう60歳を過ぎて、運転するには
危ないんよ。

これも、ウソぴょん。

先日もシェアカーで、掛け布団を施設に運び
入れましたから。

母とアタクシの会話を聞いていた、ヒデコさん、

60歳過ぎなら、まだまだ、運転できるでしょ?

うーん、出来るけれど、咄嗟の判断力がない
のが現実でね。何かあってからは遅いでしょ?

そうね、やめたほうがいいわ。

すると、母が叫びました。

じゃあ、アタシは、帰れないのね!!


そこに、自然と割って入って来るスタッフさん、

みっちゃんさん、お茶はいかが?
コーヒーにしましょうか?

あら、コーヒー?、
そうね、ミルクの入った甘いのをね。


母のヒステリーは収まって、帰ると騒いだこと、
すっかり、どこかに飛んでおりました。

003

アタクシが面会に行かない日も、母は大声で
叫んでいるんだなとわかりました。

娘は?のあとは、何を言うか、わかっています。

電話をして、来るように言ってちょうだい。

それも、しつこく・・・