湯船につかりながら、母がつぶやきました。


アタシ、悪いことをいっぱいやったんだわ。


ありゃりゃ。


お風呂に入りたくないと申しますので、明日
乳癌の検査で病院へいくから、入ったほうが
いいと勧めました。


母が既往症でもっとも嫌がるのが、認知症。


乳癌だと言っても、あら、そうと全く顔色も
変えないのに、認知症だというと目がキッと
吊り上って参りますのに。


明日は、どこへいくの?


近所の病院。整形外科で通っていた病院や。



実は、お風呂に入らずに、このまま寝たいと
言っているのに、無理やり入れることになり
ました。


入らないとすると、身体を熱いタオルで拭く
ことになり、左手片手でタオルを絞るのは、
至難の技です。


アタクシとしては入浴して貰うのが一番。


母としてみれば、入浴という嫌なことをさせ
られた上に、乳癌のために病院へ行くという
これまた、行きたくないところへ行く。


ダブルで嫌なことになってしまい、気持ちが
沈んでしまったようです。


そうなると、うつ病ですわね。


悪いことをしたから、癌になったとマイナス
の思考に変ったのでしょう。


頭の半分が痛い、肩が凝ると訴えるも、アタ
クシはそれを老化だとすげなく言ってしまう。


何度も聞かされる鬼娘の口からは、優しさと
いう言葉はございません。


これから、乳癌なりの症状がひどくなれば、
鬱状態の母になるのでしょうね。

お風呂に入りたくないのに、無理強いされた
ということで、始まりました。


いつもの痰が切れないと騒ぐパニック障害。

しかし、入浴後は

ぬるくて、いいお風呂だったわ。


ですって。

はいはい、マイスリーで寝て貰いました。