「叔母様へのご機嫌伺い」と従姉が来宅。

従姉が来る前にリハパンを取っ換えてと母に
トイレへ行くことを促したところ、シーツに
くっつきベンちゃんが・・・。

あわてて、シーツも取り換え、バタバタ。

すると、母が申しました。

R子(従姉の名前)が来るのをなんで断って
くれなかったの!、アタシ、胸が押されて、
苦しいのに。

今まで、なんだかんだと言って数回にわたり
断ってるんよ。
ママが、具合が悪いから、って言えば、納得
しはるよ。

わかったわ。アタシ、R子に来なくてもいいと
言うわ。


ところがでございます。
従姉が来た途端に、外面ヨシコちゃんぶり。

そうなると、シャッキリとし、会話も、ん?
とズレ感があるところも、上手に、言葉の
綾を駆使して、傍で聞いているアタクシも、
舌を巻いてしまうほど。

これじゃあ、認知症ですとは言えまへん。

たまに来る従姉には、母が認知症だとは思え
ないらしゅうございます。

従姉の母、つまり、母の姉ですが70歳のとき、
乳癌で亡くなりました。義理の両親も介護を
させることなく、あっさり他界。

叔母様、しっかりしているじゃあない!
って、それは、この従姉は介護の経験があり
ませんからね。

あの、微妙なスレ感を察知・理解することは
ないのです。
むしろ、認知症だと愚痴るアタクシが、オカ
シイと思っている節があります。

その点、仙台にいる従姉は、母親が認知症で
したから、アタクシの言う母の状態を、よく
わかってくれます。

さて、午後4時、夕食の支度もあるからと、
腰を浮かしかけた従姉。

この次は、叔母様に阿部の叔父様のことを、
伺いたいわ。

ちょっと、最後に母にかけた一言が命取り。

母のエンドレストークショーが始まりました。

「阿部の叔父」とは母方の祖母の弟のこと。

すると、父方や母方の実家の状態から始まり、
祖母と祖父との結婚の馴れ初め、祖母の弟に
当たる、その「阿部の叔父」の卒業した大学
のこと、戦後の会社で偉くなったことを延々
と話しはじめました。

あるところまでくると、また、振り出しに。
そして、その都度内容が少しずつズレて違う。

従姉は辛抱強く話が途切れるのを待っている
ので、いつも鬼娘のアタクシに何度同じこと
を言うてるねんとぶった切られている母は、
聞き手がいると嬉しくて絶好調。

3~4回続いたところで、従姉がようやっと、
母を制止しました。

叔母様、お疲れになりましたでしょう。
帰りますね。また、おしゃべりに伺います。

結局、母の口からは、「来ないで」とは出る
ことはありませんでした。

003

玄関先の小さな秋。南天の葉。

「エンドレストークショー」という言葉は、
介護友の楽様のコメントから。

「エンドレストーク」という表現ですべてを
表していると存じます。