デイなんか、行きたくない。
なんで、行かなきゃいけないよ。
絶対、行かない。

こう言って、手強く、なかなかデイへ行って
くれない認知症の高齢者が多いと存じます。

介護をしている家族としては、毎回、嫌だと
言われてストレスになるんですよね。

何でデイやショートに行くのか、そんな理由、
どうでもよいのが、認知症という病気。

ただ、ひたすら、行きたくない。
家で寝ていたい、しんどいのに動きたくない、
ただ、それだけ。

ストレスを感じることなく、デイへ行かせて
みませんか?
それが、「送り出し詐欺」でございます。

この詐欺、記憶力がまだ残っている認知症の
初期段階では、引っかかりません。

少し記憶することが難しくなっているような
タイプの方がベストです。

まずは、デイへ出かける支度は前もってして
おく。着て行く洋服やバックはすべて置いて
おく。

次に、大好きな食べ物や飲み物で、ホイホイ
しておく。

デイのお迎えがきたら、玄関を開けて、一声、
かける。

はぁーい、今、準備してますー

そして、一気に急かして、着替えをさせる。

はい、シャツはこれ、

はい、セーターを着ましょうね、

はい、これ、ズボンね、履きましょう。

はい、上着を着てと。

はい、バックでしょ。

この詐欺の特徴は、考える隙を与えず理由を
考える時間を与えないこと。

あれれのれ~で、玄関まで連れ出し、デイの
スタッフさんに渡して、一丁上がり!!

これは、お義母様を介護するひろちゃん様の
「鬼嫁の餅つき合いの手作戦」とも申します。

今朝のデイも、この送り出し詐欺で。
相変わらず胸が押されて苦しいと申しました。

大丈夫、午後になれば元気になるし、向こうに
お医者さんがいるしね。
と引導を渡しましたのが、出発30分前。

004

今日は、今年最後のデイでございました。

そのためでしょう。午後5時に帰宅しました。

今日は一日中、おしゃべりのしっぱなしで、
お疲れになっていると思いますよ。

いつもの仲良しさんですねとスタッフさんに
聞いてみると、そうではなく、デイ初心者の
方だったそうです。

ははん、持前のお節介婆さんを発揮したんだ。

新しいお友達が出来たんやって?

忘れた。

家に帰ると、センターで賑やかにやってきた
をすべて忘れてしまうようです。

それとも、楽しかったけれど、「楽しい」と
いうことを口が裂けても言えないのかな?