2月24日のミッちゃんの武勇伝から

オフクロさん、昨夜はスッポンポンになった
んだってさ。

会社を午後から休みにし母の病室にきていた
兄がいました。

えーっ!!、だって左手で、ツナギのような
介護寝間着をどないして脱いだんやろね。

右手は拘束用のミトンをして、介護寝間着の
複雑なファスナーをよくもまあ・・・。

手術前の準備に来た看護師さんからも言われ
ました。

昨夜は騒いで寝ておられないんですよ。
夜勤の者が、びっくりしたと言ってました。

はぁー。
やっぱり、この病院でよかったんだ。

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本日は手術日。
午後3時過ぎに麻酔科の医師と確認しました。

全身麻酔か、局所麻酔でいくか。

リスクがないのが、局所麻酔。
全身麻酔の場合、母は肺と心臓がよくない、
更に、90歳という高齢だからとおっしゃる。
つまりは、不慮の事態があることを承知して
くれということざんしょ。

勿論、全身麻酔を希望し、リスク覚悟の上だ
とお願いしました。

先に来ていた兄に、母はいつものイケズを、
ぶつけていたようです。

それを、兄はなだめていたようです。
アタクシが行ったときは、

Yちゃん、今まで色々お世話になったわね。
アタシ、感謝しても、しきれない。
手をかして、アタシ、握りたい。

おお!!今生のお別れシーンやんか。

手術室へのストレッチャーが来るまで、母は
何度も言っていました。

だんだん、兄もシュンとしてきたようでした。

母をエレベーターまで送ったとき、看護師が
手術室前まで、ご一緒出来ますと声をかけて
くれました。

兄は乗ろうとしました。
どちらかというと、兄がセンチメンタルで、
アタクシは、やはり鬼娘。


1時間15分ほどで、病室に戻ってきました。

医師からは、オーソドックスな固定手術で、
問題なし、明日から、さっそく、リハビリを
すると言われました。

麻酔から覚めた母は、

なんで、アタシ、こんなところにいるの?

この左側がどうして痛いの?

これが、またエンドレス。
医師のいったリスクはなんのその。
元気いっぱいの母でした。

静かになったと思ったら、イビキをかいて、
寝入ってしまいました。

そのとき、鬼娘が思ったのは、こうやって
穏やかにお迎えがきてくれるといいのにと
いうこと。

しかし、寝返りを打ちたいと言って身体を
横にしようとして、痛い!!
介護寝間着が邪魔と、脱ごうとするので、
これに触ってはダメと手を取ると、

手に触るな!!アタシの勝手だから!!

ああ、そうなんや。
じゃあ、看護師さんに手の拘束用ミトンを、
して貰い、帰ると言って、実行しました。

すると、母は大絶叫。

看護師さーん、これ、邪魔ぁ、取ってぇー

アタクシは後をお願いして、大絶叫の中を、
エレベーターに乗りました。

哀しいやら、情けないやら、切ないやら・・・
表に出たとたん、ポタポタと出る涙。

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母の大絶叫、でも、誰ひとり文句を言わない。

有難いこっちゃ