アタクシは現場を見ました。

ナースステーションの隣のある部屋に術後、
部屋替えになった母。

カーテンの陰から見える母は・・・・

下の歯しかないのに、拘束のミトン型手袋を
口に銜えて、引っ張っていました。

亡き義姉のお母様がこの手袋を外したという
武勇伝がありました。
私達、家族のなかで、どうやって取ったのか
不思議だったのですが、口を使ったんですね。


アタクシの顔を見て、母が申しました。

これ、取って頂戴!

看護師さんやないと、取れへんねん。

アタクシが取り外すことは出来ます。
やってしまえば、要求は激しくなると思い
呼んで、取って貰いました。

すると、母が言いました。

アナタね、これがどんなに嫌なものかが、
わかる?

それをするのは、アータが寝間着を脱いで、
オムツを外して、点滴を抜くからやろ!

ムッとした表情をしました。

そんなやり取りの最中に兄が顔を出しました。

母は兄にさっそく言い付けました。

アタシ、こんなもの、したくないのに!

仕方ないよ。自然と手がいってしまうから。
点滴を外すとよくなるものの、よくならない、
だから、手袋をするんだよ。

ほんま、こんなもん、したくないないよね。
気の毒に思うわ。

アタクシの言葉を聞いた母が、

あら、アナタ、初めて、気の毒って言った。

へぇー、ちゃんとわかるんだ。
シナプスがつながったようでございます。


昨日から、ベットの上で、リハビリが始まり
ました。

3月早々には、車椅子に移ることが出来るよう、
頑張りましょう。

そう言われて、母は作業療法士に向かい手を
合わせました。

いや、僕を拝んでもよくなりません。
ご自身が歩こうという意志を持たないとダメ
ですよ。

作業療法士によれば、転倒前に伝い歩きでも、
歩いていたので、リハビリ次第では歩けます
と言われ、ホッとしました。


その後、食事を介助し、歯磨きをして、顔を
拭き、あとは寝るだけ。

帰るという兄に便乗して、一緒に病院を出る
ことにしました。

最後までいて、また、絶叫されても困るので。

看護師の要望で、¥1,000@日、高い今の三人
部屋にいることになりました。

今までは¥5,000@日の差額ベットでした。

どうも、夜中に騒ぐらしいのです。

016


さて、今日は何を言われることやら。

血気盛ん母ですから。