母と差し向かいで食事をしなくなって、さて、
何年になるでしょうか。


ブーケが存命だった頃、


アタシより、ブーケちゃんに先にあげて


と言っていた母が、突然に、或る日、


なんで、アタシより、犬が先に食べるの!


と言い出しました。


それ以来、揃って一緒に食べることがなく、
とにかく、母に先に食べて貰うように変えて
しまいました。


あったかいうちに、食べたほうがええよ。


と勧めたところ、以後、母はテレビを見つつ
先に食べるようになりました。

思えば、当時は、指輪の石をアタクシが取り
換えたと騒いでいましたっけ。

だから、認知症初期の段階だったと存じます。


ブーケには、


ママちゃんに、先に食べて貰うからね。
あとになるけれど、ごめんやで。


と言聞かせていました。


ブーケも犬ながらに、母がおかしいと感じる
ようになったのでしょう。
何かあると、母ではなく、アタクシの膝の上
に乗るようになったのも、この頃からでした。



3年前に誤嚥性肺炎を患ってからは、食卓では
なく、ベットで食事をするようになりました。


母が食事をして、歯磨きをし、お薬を飲んで、
それから、アタクシは食事をします。


食事は、食卓を囲んで一緒に皆で頂くから、
美味しいのであって、一人で食べることは、
味気ないものです。


お昼などは、おどんぶりに食べるものを全部
乗せて母の横で頂くことはあります。


でもねえ、親子丼とか、どんぶりものならば
美味しいですが、ごった乗せはちょっと。


ごった乗せで、思い出があります。

それは、また、改めて。