母は目を一瞬大きく見開き、嬉しそうな顔を
しました。

まあ、Y郎(兄の名前)!、どうしたの!
来てくれたのね。


昨日は、兄と一緒に母に会ってきました。

日頃、母はアタクシによく言うのです。

アタシは、アナタが来てくれるだけでいいの。


アタクシと母の会話は、母の言葉に対して、
オウム返しか、単に頷くだけだったり。

会話に成り立たないケースが多ございます。


兄は以前から、認知症である母の日頃をあまり
よく知りません。

全く臆せず昔と同じように、母と話すのです。

すると、母は一生懸命に兄の話を理解しようと
身を乗り出して聞いています。

そして、トンチンカンな返事にならないよう、
どっちにもとれるような、中庸なことを言い、
上手く、会話をしているように聞こえるのです。

窓から見えるクスノキのことを言った兄には、
イントネーションがおかしいと訂正させたり
するなど・・・。

おっかさん、ほんまに認知症なん?

特に、昨日は、シナプスのつながり具合が、
よかったのか、会話もピンポン状態でした。

昨日の母のはしゃぎっぷりは、いつもと違い
ました。

003


兄が姪の沖縄土産だとタンカンを剥いて、母に
手渡しました。

柑橘類が苦手になった母、どうするかとみて
いましたら、一口、食べて、

まあ、甘いわ。酸味があって美味しい!

へっ?!

ミカンがおやつに出ると、「これ、美味しい
わよ。だから、アナタにあげる。」と苦手な
ものを、ホイッとアタクシに差し出す母なのに。


アタクシによこさず、美味しいと食べたという
ことは本当に甘かったのか、これまた、兄から
渡されたからか疑問ですが。