やっちまいました。

だから、さっきから、あたしは着物は着ないし、
自分で着ることも出来へんねんって言ってる
やろ!

今日の母は、第一声から「家に帰る!」でした。

家の売却を開始しようと思ったところだった
ので、いらないものを処分しているとしつこく、
母に話をしてしまいました。

アタシの着物はアナタが着てくれれば、それで
いいの。

着物は、今も将来も、着ることはないと言って
いるのに、何回も言うのです。

うん、着るね。

と言えばいいだけなのに、鬼娘のアタクシも
ムキになって、着物はいらない!と言って、
しまいました。

もう、一山3,000円で処分しちゃったんだから!

言ってしまってから、しまった、と気付いて、
あわてて、残した着物もあるからと言いました。


認知症の母に、わざわざ、家具から布団から、
家を全部処分してしまうなんて、言わなくても
よかったのにと後悔しました。

しかし、母は意外なことを申しました。

そう、アナタが片付けないと、後々が大変よね。

えっ?!

今まで、「片付ける」ことに同意することが
なかったのに、理解を示しました。

そうやねん、あたしも、もう61歳やからね、
動ける今、やらないとね。

またまた、言い続けてしまいました。

002

「帰る」と言われても、動じなければいいのに、
言われたくないと思ってしまいます。

なんとか、諦めてという気持ちが、家を畳む
ことを母に言ってしまいます。