アタシ、養老院へ行こうか・・・。

昨日のアタクシは、母から何度も同じことを
聞かれて、だんだんと語気が荒くなってきて
いました。

母のいつもの質問で、

皆は元気なの?

うん、元気やで。

しかし、昨日はこれで終わらなかったのです。

殆ど、近況を聞かない次兄のことの言い出し
ました。

K君(次兄の名前)は元気なの?

K君?!、もう5年前に死んでるよ。

えっ、そうなの?、アタシ、知らないわ。

K君のことは、そのときにママに言ったよ。
だけど、入院していたからね。退院してから、
話をしたんよ。

じゃあ、Yumiちゃん(次義姉の名前)は?


母は、次兄を思い出し、次々とその家族が、
頭に浮かんできたらしく、聞いてきました。

Yumiちゃんもね、そうやね、亡くなってから
3年になるかな。

子供達はどうしたの?


次兄の長女は、昨年の夏に婚約者と共に母に
会いに来てくれました。

そういうことは、忘却の彼方。

次兄の子供達の現況も、ざっと説明しました。


ところが、しばらくすると、K君はどうした、
という質問から始まって、同様な下りとなり
ました。

それも、数回に亘りました。

とうとう、アタクシは、口走ってしまいました。

だから!、さっき・・・、

きっと、アタクシの目は吊り上っていたのかも
しれません。


アタシ、養老院へ行こうか。

おっかさん、ここが、養老院や。


「養老院」って、死語に近い言葉ではないかと
存じますが。


ググってみますと、

明治28年に設立された聖ヒルダ養老院が、日本
最初の養老院であった。

その後、民間・宗教施設に留まっていた養老院が
初めて国の制度上に位置付けられたのは、昭和
7年のこと。

戦後、養老院という呼び名が養老施設に変更
され、さらに昭和38年に制定された老人福祉法
によって老人ホームに改称及び体系化が行われ
現在に至る。

wikipedia「老人ホーム;歴史」より


養老院とは宗教家や篤志家や慈善団体などが
救済事業の一環として展開された施設になり、
身寄りのない高齢者や色々な理由により家庭で
生活することができない生活困難な高齢者を
収容する施設になります。

「養老院」は、上記の様に生活困窮者を収容
する施設ですから昔の方には「養老院」という
言葉自体、イメージがあまり良くありません。
「養老院に入る…」「養老院に入れられる」と
いうような状態で使われることが多く、その
イメージが根強いために、親を老人ホームに
入れるのは親不孝者であり、老人ホームは、
姥捨て山と同じだと思われていた方々も、
多かったのではないでしょうか?

老人ホーム全国ネットより


そそ、きっと、母は自ら姥捨て山へ行こうか
と言ったと同じかもしれませんね。

鬼娘は、口に出して申しておりませんのに。

008

母のお話し相手のKさんが、おやつのオレンジを
アタクシに勧めてくれました。

先生、これ、いかが?

先生、そうか、時々、見かける顔だけれど、
名前もわからない、そういう場合に認知症の
人が使う呼びかけ・・・。

母も、使ってます。