施設(特別養護老人ホーム)に居る母の集団
リハビリに一緒に参加し、ユニットに戻ると、
夕食の準備になる時間になってしまいます。

さいざんす、逢魔が時。

帰宅願望が、日中よりも一段と激しくなる時。


明日は、ママの健診の日だから、お泊りなんよ。

とか、言っても、

病気になっても、死んでもいいから。

とか、反撃され、

今日は、電車とバスやから、ママは無理や。

とか、言っても、

アタシ、歩けるもん。一緒に帰る!!

と最後には半泣き状態で脅してくる。


そういうときは、ワンコの文福が母を見つめて
くれるか、スタッフさんがいて、一緒にウソを
ついてくれるか・・・。

明日はさ、ここのお医者さんの診察日やからね。

すると、スタッフさんか重ねて、

そうですよ、痛いお膝の治療ですから。

と言われると、母は、仕方ないかと言うように
しかめっ面をして諦めモードへ。

じゃあ、アナタ、いつ、迎えに来るの?

うん、明日やね。

と、いわゆる、優しい嘘っていうやつ。


認知症患者だからこそ、明日は日曜であること、
毎回、優しい嘘をつかれていることがわかって
いない。

だから、真実の口に手を入れても噛まれない
と思うのですが。

しかし、やはり、気分はよくございませんわ。


005


母が認知症でなかったら・・・。

優しい嘘は、真実のウソと見抜かれて、もっと
辛くて嫌な思いをすることに。

認知症でよかったと思う一つでもあります。