毎月第一水曜日は、調理リハビリ。

午後2時からに間に合うように行くと、母は、
スタッフさんに起こされて、少々ご機嫌斜め。

何かあるの?

調理リハビリと言うと案の定、

アタシ、そんなことしたくないわ。

このような集団リハビリには、母は一人では
参加しないので、アタクシが先月から連れ出す
ことに。


アタシは何もしないわよ。

前回も、今回も母は申しました。


今回のメニューは「冬瓜の鶏そぼろあんかけ」
でした。

お料理の説明を厨房長がして下さっているのに、

冬瓜なんか、食べたくないわ。

と大声で言う母。

おっかさん、何を言うんや。


しかし、冬瓜そのものには興味を持ち、

それは、どこで採れたものなの?

あれあれ、認知症とは思えぬ質問をしたり。

それでも、手を出そうともせず、アタクシに
代わりにやれと指示をする母。


しかし、冬瓜を一口大に切り、ピーラーで皮を
取っていると、母が横から口を出しました。

アナタ、何で切っているの!
貸してごらんなさい。

慣れた手つきで、包丁を使い皮をかつらむき。

おっかさん、やれば、出来るんやないの!


参加者は6名。
そのうち、しっかりと話せるのは、母と自称、
調理師というババ様。

ババ様が、ウンチクを傾けました。

なんで、先に一口大に切ったのよ。
大きいままで、皮を剥けば簡単だったのに。

そうでした、と作業療養士さんが苦笑して
答えました。


切った冬瓜を板ずりしてから、下ゆでをして
いる最中のことでした。

自称、調理師のババ様の前にある、カセット
コンロの周囲にお湯が噴いて、水浸し。

すると、それを見た母が、叫びました。

ほら、ほら、ちょっと、そこ!!、水びたしよ。

母に指摘されたババ様が、言い返されました。

わかってるわよ!、入れたお湯が多過ぎるのっ!

そこで、アタクシはババ様のところへ行って、
コンロの周囲を拭き、母が何も言わないように
致しました。


水びたしが無くなったのを見た母が、ふと、
横を向いて、再度、大声を出しました。

なんですか!、包丁をそんなところに置いて。
危ないでしょ!

包丁はちゃんと会議室用のテーブルの中央に
あったにもかかわらずでしたのに。

申し訳ない、すぐに、流しに持って行きます。

厨房長が、応答してくれました。


お料理が出来上がって、母が食べて一言。

この大根、固いし、それに、塩っ辛いわ。

母の声が大きく響きました。

おっかさん、大根とちゃう!冬瓜や。
それに、塩っ辛くもないやんか。

母の隣では、ココ君のお母さんが美味しいと
食べているのに。


自己チューの婆らの怒号が飛び交うなかで、
認知症でわけのわからない入所者を相手に、
料理をさせてくださった厨房長とスタッフ、
作業療養士の方に感謝申し上げます。

参加しただけのアタクシですが、疲れました。

003

母のところから帰宅し、ポストを覗いて夕刊が
ないので、あれ?忘れられたかと思いました。

そそ、今日は旗日ですから、なくて当たり前。
祝日であることを忘れていました。

今回は、年内最後の連休なんだそうで。

そう言えば、道路も混んでいましたわ。