さてさて、次回にとした、シードさんからの
電話のこと、お話しましょう。

ケアハウスに帰るバスの中でスマホが鳴りました。

あー、また、ケアハウス内で心配事が起きたって
ことね。

エントランスで折り返しの電話を入れても出ない。

そこで、シードさんの部屋の前を通って行くことに
しました。

すると、ヒコロさんのお部屋から、シードさんの
大きな声が聞こえました。

あらら、また、ヒコロさんの妄想が始まった?!

シードさんが出てくるのを待って、一階のロビーで
話すことに。

先の日曜日、ケアハウスの地域の神社のお祭りが
ありました。

シードさんの部屋からは、そのお神輿の様子がよく
見えるので、ヒコロさんをお部屋に誘ったのだそう。

その際、ベランダに出るから外履きを持ってくる
ように言ったとのこと。

シードさんのお誘いに喜んだヒコロさん。

赤い外履きを持って、シードさんの部屋にきて、
ベランダから見ていたところ、お神輿をもっと
傍で見たいと言い出したそう。

シードさんとしては行きたくなかったけれど、
ヒコロさんが見たいのならと一緒に行ったそう。

問題はそこから・・・。

お神輿がケアハウスのある建物から、また、行列を
作って出て行った後、部屋に戻ったヒコロさんが、
シードさんの部屋に血相を変えてきたのだそう。

わたしの外履きが盗まれた!!

そのときのヒコロさんの顔は、真っ赤になって
目が吊り上がっていたとのこと。

はいはい、病気の発作が出たわけね。

シードさんが言うには、何度も説明しても、
「盗まれた!」との一点張りで、話を聞こうとも
しないのだそうです。

私がヒコロさんにその赤い外履きを買ってあげれば
「盗まれた!」と言い続けることはないと思うの。
あんずさん、どう思う?

アタクシは、そこまでする必要はないと思うと
答えました。

ところが、もう、その話をヒコロさんにして
しまったのだそう。

すると、パッと顔の表情が変わり、穏やかになり

そうなの、いいの?

あっさり、提案を受け入れて、「盗まれた!」と
言わなくなったのだそう。

うーん、アタクシはやはり、そこまでやる必要は
ないと思うのですが。

遠方までのお出掛けが難しいシードさんの代わりに
外履きがあるというお店に、品物があるかどうかを
アタクシが見てくることを請け合いました。

四谷にあるという店、水曜日に四谷三丁目の耳鼻科に
通うアタクシには、ちょいと足を延ばせばいいのです
から。

シードさんとの結論は、以後、お互いヒコロさんには
深入りしないこと、でした。

004

シードさんは幸いなことに、実家のご両親も
婚家先のご両親とも、認知症を発症することなく
看取ったとのこと。

私は認知症がどんなものが知らなかったのよ。
こんなことになるなんて、思いもしなかった。


ブログをお読みくださり有難うございました。